葛川 移住者・自分らしく生きる人達インタビュー

美しい自然と季節の変化のある葛川で田舎ならではの生活を楽しむ

宮田清彦さん

30年前に兵庫県神戸市から葛川に移住して来た宮田清彦さん。写真撮影の仕事で各地を取材する傍ら、ゲストハウスの運営もし、休日には愛着のある築100年の古民家のリフォームを1人でコツコツと楽しんでいます。宮田さんの理想の暮らしとは?

宮田清彦さん
宮田さん
  

葛川との関わり

-宮田さんはどういうお仕事をしてるんですか?-

カメラマンです。ここで地元の物を撮ってるとか、そういうことは一切なくて、仕事は街の中とかですね。料理、それと旅行雑誌みたいなのが多いかな?今はそんなにしてないですけど、以前は撮影に出かけたら2、3日帰ってこないとかよくありましたね。

それと、今は自宅の1階を改装してゲストハウスとして運営しています。もう20年以上やってるんですけど、あまりPRして忙しくなっても大変なだけだし、口コミだけでやっている感じですね。今くらいがちょうどいいですね。

 

-葛川との関わりはどんな感じでしたか?-

結構古道具趣味みたいなものがあって、古い家とか、古道具とかの古いものにかなり魅力を感じてましたね。こういう環境に住みたいっていう事と、古いものが好きだという事、新しい家はできたら建てたくないなと思ってたんですよね。

まあこういう所に住むっていう事が第一ですけどね。まあ何か自分なりの生活システム、畑やったりですとか、造園をしてみたりとか、家を作ってみたりとか、そういう本当に普通のことをやりたかったんですね。

 

この辺は朝早い電車に乗ったら、西宮や神戸からバスで入って来れたんですよね。だから二十歳ぐらいの時から、時々遊びに来てたんです。葛川以外にも、京都の北の方とか、岐阜の郡上の方も行きましたね。

 

-葛川へはどんなきっかけで?-

田舎に住むというのは、今でもそう簡単ではないですけど、あの頃は特にコネクションがないと難しかったですね。不動産屋に出てるわけじゃないんでね。それを探すのが一番大変でしたね。2、3年は車で来てはね、かなり探したんですよ。

空いてる家の隣の人に頼みました。でも、いやこんなとこは難しいですよとか、大変やでとか、みんな出て行ってるのに、みたいな感じでしたね。まあ本気にしてもらえなかったですね。それでも隣の家にお願いして帰るわけですけど、全然連絡はなかったんです。

動き出したのは、京都の友達が葛川の人と繋がっていて、その友達から売りたい家が一軒あることを聞いて、それでこの家を買うことが出来たんです。結局そういうルートしかなかったんですね。だから好きな家を選んだとか、そんなんじゃないですよ。

軒先

軒裏 ベンガラが塗られています

葛川での暮らし

-買い物はどんな感じですか?-

生協みたいな配達がまず第一ですね。注文しておいたら勝手にその辺に置いといてくれるみたいな感じですね。ネット通販も普通に届くし、色んなデリバリーがあるから、そういう不便さはあまり感じませんね。

買い物も、車で30分も行けば高島市の今津や安曇川、大津市堅田にも大きな店があるので。普通の日常的なものはみんな揃う。もし買い忘れた時は、仕事のついでとかで買いますね。

葛川にあるレストランは、日本の中でもかなりレベルが高いと思いますね。まあすごい高価な店もありますけど。それ以外はそんなに高くないし。だから外食に関してもそんなに不便ではないです。

-病院はどうしてるんですか?-

ここの葛川にも診療所はあって、以前は毎日やってたけど、今は火曜日の午前中だけになったから、使い勝手が良くないですね。普段は専門病院で診てもらって、この診療所では薬もらうのと、急病の時におられると助かるという感じですね。

僕ら夫婦は元々少しぐらい熱があっても病院とか行かない主義なんですよね。でも子供はそういうわけにはいかないから、ちょうど車で10分ぐらいの朽木に小児科の先生がいたので、そこに行ってました。本当に急を要する時は救急車ですよね。30分ぐらいで来るわけだから。

-保育園に通うお子さんを持った方が移住するとなると、朽木か堅田の保育園に送り迎えするっていう感じですか?-

葛川で仕事している人は割と少なくて、通勤されてる方が多いので、仕事場に近い方がいいじゃないですか。だから堅田の方とかの職場に行く途中に預ける方が結構おられましたね。

今は、貸してもらえる家は何件かあるんですか?

今だいぶあちこちに声をかけたから、1、2件は賃貸物件があるんじゃないかな?でもあまり多くない。やっぱり所有者の方は、自分の先祖代々の土地を自分の代で売るというのは、なかなか抵抗がおありでね。

都会みたいに高く売れたらいいけど、そんなことないでしょう?その辺は、ここに生まれ育った人でないとわからない。まあ日本中どこでもそうですけどね 。もっと悪い状態にならないと手放さない。だから難しいんですよ。

作業

1階のゲストハウス

更地の土地だけの物件ないんですか?

 

探せばあると思いますけどね。でも試しに住んでみてどうかなっていうのが普通の人じゃないですか?家を買って土地を買うというのは、そこに投資するっていうことでしょ?そこまで誰もが投資できるかっていうとね。やっぱりまずはお試しで借りて住んでみるということになるんじゃないですかね?

この家のリフォームは宮田さんがやられたんですか?

ほとんど全部自分でやりました。床下にコンクリートを入れてもらうのだけは頼みましたけど。トイレを作るのも自分でやったし。やったことなかったですけどね。やったことないけど、試行錯誤することが面白くて。何かいろいろ自由にできる、そういうことをやってみたかったんですよね。

 

-移住しようとした時、仕事が大きい問題だ思うんですけど、今まで引っ越してきた方は、仕事を持った状態で移住してくる人がほとんどなんですか?-

そうですね。ここに来てから新しく仕事を探すという人はほとんどいなくて、今までの仕事を持ったままこっちに来る方が多いですね。こちらに来てしばらくしてから転職するっていう事も結構あるかな。

囲炉裏

囲炉裏

-地域の方々との関わりとか、難しさだとか、とまどいはなかったですか?-

都会みたいに、怖いなあみたいな、そんな事はないですね。人の顔が見えるからね、みんな。だから、村の中での犯罪なんていうのは皆無に等しいし。ただまあ顔が見えるからやっぱり気を遣ったり、そういうことはありますよね。

 

-葛川の通信環境はどうですか?-

 

固定電話は NTT 西日本。携帯は docomo と au とソフトバンクが入ってるけど、ソフトバンクはちょっと入りが悪い。でもau と docomo を全く普通に入ります。そこの4G を使うと早いけど、高い。

光回線は来てないんですよ。それは本当に僕らみたいなデジタルでやり取りをしている者にとっては困るんですよね。

フィルムの時は困らなかったんだけど、デジタルになってからは、みんな家から写真をすぐに送ってくれとか言われるわけですよね。フィルムだったらみんな郵便でしか送れないわけでしょ?

ダウンロードはそんなに問題ないですよ。でも嫁さんも仕事柄しょっちゅうネットで色々な事調べてますよね。僕はアップロードがかなりあるでしょ?アップロードが遅いときついですね。僕の場合、1枚の写真が10 Mぐらいあるから、100枚だと1000メガ、1ギガでしょ?1ギガ送らなくちゃいけない。

そうすると DVD に焼いて送っちゃうこともあります。

窓からの風景

宮田さんの家の背後には、安曇川の清流が目の前に見えます

葛川の魅力

-宮田さんから見て葛川の魅力はどんなとこですか?-

やっぱり綺麗な川じゃないですかね?昔に比べたら魚は減ってるけど。川の流れと、川と山とのバランスがいいかな?それはやっぱり魅力だと思いますけどね。渓谷沿いの村ですね。

車で動かないといけないけど、車の運転が好きな人なら大丈夫だし。駐車料金とかいらないからね。そういうことにコストはかからない。

色々な物にコストがかからなっていうことはいい事ですよね。それに京都まで1時間弱で到着ですからね。日本海の海岸にも1時間で到着です。すごくないですか?

-移住を検討しておられる方に何かアドバイスがあればお願いします。-

何のために田舎に住んでいるかっていったら、この田舎のものを楽しむ、楽しみたいからここに来たわけで。自分のやりたいことがあって一生懸命働くのも全然いいんですけど、そしたらなかなかね、それではちょっともったいない。

都会と同じ価値尺度で住もうっていう事ではなくて、自分なりの価値観をこういう地域でどううまくやってやっていくかというか。

都会にいたら美術館をはじめ色々お金を使って楽しむことは山ほどありますけど、ここはそういうものはない代わりに、楽しめる山や川がある。優先順位の中で、こういう環境を上に持って来れる人にはお勧めですね。

出来れば二人で来られた方が楽ですよね。夫婦でも、友達でもいいし。自分の場合、嫁さんも働いているから、それで家を直せたんですよね。古民家の場合はいろんな修理があるからね。それができたのはやっぱり二人が働いてたからですね。

私たちは、厳しいところもあるけれど、この美しい自然と季節の変化のある葛川を心から愛しています。